矯正用ワックスは、歯科矯正中に感じる装置の不快感や痛みを軽減するアイテムです。しかし、適切な使い方や保管方法を実施しないと、効果が得られない場合があるため、注意しなければなりません。
本記事では、矯正用ワックスの概要や使い方のステップ、購入方法、保管する際の注意点をご紹介します。また、よくある質問も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
矯正用ワックスとは?
矯正用ワックスは、歯列矯正中のワイヤーやブラケットが口内に与える刺激を和らげるために使用されるアイテムです。矯正器具が原因で生じる口内炎や痛みを軽減する役割があります。
ワックスには、固まりやすいシリコンタイプと、混ぜて使うペーストタイプの2種類があります。それぞれ特性が異なるため、使用シーンに応じて選びましょう。
たとえば、短時間で固定したい場合にはシリコンタイプがおすすめです。一方、ペーストタイプは柔軟性があるため、特定の形状に合わせて使用する際に便利です。使用する際は、矯正治療を受けている歯科医院の指導を仰ぎ、適切に活用してください。
矯正用ワックスの使い方は3ステップ
次は、矯正用ワックスの使い方について解説します。
- ステップ1.ワックスを適量ちぎって丸める
- ステップ2.ワックスをつける部分の水分をとる
- ステップ3.ブラケットにワックスをつける
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
ステップ1.ワックスを適量ちぎって丸める
矯正用ワックスを使う前に、手洗いを丁寧に行い、その後、歯磨きで歯の表面をきれいにします。この準備を怠ると、ワックスがしっかりと付着せず効果が半減する可能性があります。
清潔にしたら、ワックスを米粒や豆粒程度になる量を取り出して、小さな球状に整えましょう。過剰に使うと装着部分が厚くなり、不快感を覚える場合があります。その後、整えたワックスを矯正器具の当たる部分に軽く押し付けて固定します。
なお、歯ブラシの持ち方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:歯ブラシの持ち方は2種類|歯みがきのポイントや適切なタイミングを徹底解説!
ステップ2.ワックスをつける部分の水分をとる
矯正器具や歯の表面に水分が残っていると、ワックスがうまく密着しません。このため、ワックスを使用する前に、器具や歯の表面を丁寧に乾燥させましょう。ティッシュや柔らかいガーゼを使用して水分をしっかりと拭き取るようにしてください。
矯正器具と歯の間にある細かな隙間には水分が残りやすいため、ティッシュを細くねじって隙間に押し込むようにすると効果的です。
ステップ3.ブラケットにワックスをつける
ブラケットにワックスを付ける際は、痛みを感じる部分を正確に確認してから作業をはじめてください。準備したワックスをブラケットに軽く押し付け、器具の形に沿って密着させていきます。
このとき、ワックスがブラケットの細かな凸凹にしっかり入り込むよう、均等に力を加えましょう。また、ワックスを付けた後に位置がズレないよう、指で優しく押さえながら固定すると安定します。
矯正用ワックスの購入方法
矯正用ワックスを購入する場合、主に歯科医院とインターネット通販が利用できます。また、歯科医院でも、矯正治療を受けた際に購入できる場合が多く、治療中の痛みや使用方法についても相談可能です。
一方、インターネット通販では、さまざまなオンラインショップで幅広い価格帯のワックスが販売されています。検索時に「矯正 ワックス」と入力すると商品が見つかりやすいですが、類似品と間違えないよう注意が必要です。
矯正用ワックスを保管する際の注意点
矯正用ワックスを保管する際に、高温多湿の場所ではワックスが柔らかくなったりべたついたりする場合があります。このため、直射日光を避け、涼しく乾燥した場所での保管がおすすめです。
また、製品ごとに特性や保管条件が異なる場合があるため、必ず付属の説明書を確認しましょう。保管方法に不明点や自信がない場合は、矯正治療を担当している歯科医師やスタッフに相談すると安心です。
矯正用ワックスでよくある3つの質問
最後に、矯正用ワックスでよくある質問について紹介します。
- 質問1.寝るときは矯正用ワックスを外すべき?
- 質問2.矯正用ワックスは体に害がないの?
- 質問3.矯正用ワックスは代用できる?
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
質問1.寝るときは矯正用ワックスを外すべき?
矯正用ワックスは、就寝時にも装着したままで問題ありません。矯正器具が口内に当たり、夜間に痛みを感じる場合には、ワックスを使用してその部分を保護しておけば、快適な睡眠が得られます。
このため、寝る前にしっかりと歯磨きを行い、器具周辺を清潔にしておきましょう。無理に取り外す必要はありませんが、使用感に違和感を覚えた場合は、歯科医に相談するのがおすすめです。
質問2.矯正用ワックスは体に害がないの?
矯正用ワックスが外れて飲み込んでしまっても、健康面で問題は起きません。外れた場合は、すぐに新しいワックスを装着すれば、痛みや不快感を軽減できます。
また、食事中はワックスが外れやすくなるだけでなく、誤って噛んでしまう可能性があるため、ワックスを一度取り除きましょう。食事後は、歯磨きをして清潔な状態にしてから新しいワックスを装着すると、衛生的で快適な使用感を保てます。
質問3.矯正用ワックスは代用できる?
矯正用ワックスが手元にない場合、痛みを和らげるために入れ歯安定剤を応急的に使用する方法があります。矯正器具が口腔内に当たる部分をカバーして、痛みを一時的に軽減できます。
しかし、これは緊急の代用品であり、矯正用ワックスの代わりとして長期間の使用はおすすめできません。可能な限り早めに矯正用ワックスを用意して、正式な方法で痛みを緩和するようにしましょう。
なお、入れ歯安定剤を使った際のネバネバをきれいに取り除く方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:【歯科技工のプロが教える】入れ歯安定剤を使うとネバネバが残る?きれいに取り除く方法や注意点をご紹介!
まとめ
本記事では、矯正用ワックスの概要や使い方のステップ、購入方法、保管する際の注意点をご紹介しました。
矯正用ワックスには、固まりやすいシリコンタイプと、混ぜて使うペーストタイプの2種類があります。短時間で固定したい場合にはシリコンタイプがおすすめで、ペーストタイプは柔軟性があるため、特定の形状に合わせて使用する際に便利です。
矯正用ワックスを使用する前に、手洗いを丁寧に行い、その後、歯磨きで歯の表面をきれいにしましょう。この準備を怠ると、ワックスがしっかりと付着せず効果が半減する可能性があります。
また、購入方法としては、歯科医院で矯正治療を受けた際に購入できる場合が多く、治療中の痛みや使用方法についても相談可能です。さらに、インターネット通販でも購入できますが、類似品と間違えないよう注意が必要です。
矯正用ワックスを使用する際は、矯正治療を受けている歯科医院の指導を仰ぎ、適切に活用してください。
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