口臭は、多くの人に共通する悩みのひとつです。社会的なエチケットの問題だけでなく、歯周病やその他の病気が隠れている可能性もあるため、口臭が気になる場合は早めの対策が重要です。
この記事では、自分の口臭をチェックする方法やニオイの原因、口臭対策を詳しく解説します。口臭に悩む方は、ぜひ毎日の習慣に取り入れてみてください。
自分の口臭をチェックする方法5選
自分の口臭をチェックする方法を紹介します。主に次の5つです。
- 方法1.舌の表面を確認する
- 方法2.唾液のニオイを嗅ぐ
- 方法3.ビニール袋やコップに息を吹き込む
- 方法4.デンタルフロスを使用する
- 方法5.口臭チェッカーで確認する
項目ごとに詳しくみていきましょう。
方法1.舌の表面を確認する
口臭の原因となりやすい「舌苔」を確認することで、自分の口臭をチェックする方法があります。舌苔は、舌の表面に蓄積された食べかすや粘膜、細菌などから形成される白〜黄色がかったコケのようなものです。
歯を磨く回数が少ない人、口呼吸の人、ストレスが多い人は、舌苔が溜まりやすい傾向にあります。
方法2.唾液のニオイを嗅ぐ
口臭がある人は、唾液にもニオイがあることが多いです。まず、手をしっかりと洗い清潔にしてから、指を使って歯間、歯ぐき、舌の表面を軽くなぞります。
次に、その指についた唾液のニオイを嗅ぎます。唾液に不快なニオイが感じられた場合、口臭がある可能性が高いでしょう。
方法3.ビニール袋やコップに息を吹き込む
ビニール袋やコップを使用して口臭の有無を確認する方法です。
まず、無臭で清潔なビニール袋もしくはコップを用意します。その中に息を吹き込み一度密閉してから、嗅いでみてください。不快なニオイが感じられた場合は、口臭があると考えられます。
方法4.デンタルフロスを使用する
デンタルフロスを使って口臭をチェックする方法もあります。
まず、デンタルフロスを通常通り歯間に挿入して、食べかすやプラークを取り除きます。そのあと、フロスに付着したニオイを嗅いでみましょう。
もし不快なニオイがする場合、口臭の兆候かもしれません。なお、フロスを用いた歯間の清掃は、口臭対策だけでなく、歯の健康を保つ上でも重要な役割を果たします。
方法5.口臭チェッカーで確認する
口臭確認の便利なツールとして、口臭チェッカーの使用もおすすめです。このアイテムは、口腔内の「揮発性硫化物」を測定し、ニオイのレベルを数値で示します。
起床直後や空腹時などに使用することで、日常的な口臭の状態を知る事ができます。
ただし、喫煙直後は正確な数値が得られにくいなど、必ずしも正しい結果が出るとは限りません。測定結果はあくまで目安として参考にするのがよいでしょう。
口臭が発生する原因は4つ
口臭が発生する原因はさまざまあり、主に次の4つに分類されます。
- 生理的要因
- 外因性要因
- 病的要因
- 心因性要因
自分にあてはまる原因を知ることで、正しく対処できます。それぞれ詳しくみていきましょう。
1.生理的要因
口腔内のニオイは誰にでもある自然な現象ですが、特定の生理的状態において、そのニオイが強くなることがあります。
たとえば、唾液の分泌が減少すると、口腔内環境が乾燥し、細菌が繁殖しやすくなります。この細菌の増加が、揮発性硫黄化合物の生成を促し、口臭を引き起こすのです。
なお、唾液の減少に影響を与える主な生理的要因には、起床時や空腹時、ダイエット中、緊張時、そしてホルモンの変動が該当します。これらの状況は特に、朝起きた直後や食事の間隔が空いた時に顕著であり、女性の場合は妊娠や生理期間にホルモンバランスが変わることで、口臭が強まることが報告されています。
2.外因性要因
食事は、口臭に大きく影響を及ぼす外因性要因のひとつです。特にネギやニンニクなどの香りが強い食材を摂取すると、その影響で一時的に口臭が強くなることがあります。
これらの食材に含まれる成分が消化過程で分解され、体内から排出される際に特有のニオイを発するためです。しかし、時間が経過するにつれて、食事による口臭は自然に解消されます。
なお、食事によって口臭が気になる場合は、歯磨きやデンタルフロスの使用、デンタルリンスでうがいをすることで、ニオイを軽減できます。
3.病的要因
口臭は病的要因によって引き起こされるケースもあります。主な要因には、口腔内の問題とその他の疾患に分けられます。
口腔内での主な要因は、歯周病、虫歯、歯垢、歯石、舌苔などです。これらは細菌の増殖と揮発性硫黄化合物の生成により、口臭を悪化させることがあります。
一方、口腔内以外の要因としては、糖尿病、肝疾患、鼻疾患、腎疾患などが挙げられます。これらの疾患は独自のニオイを発し、口臭として感じられることがあります。たとえば、糖尿病ではアセトン臭、肝疾患ではアンモニア臭が特徴です。
口臭以外にも気になる症状がある場合は、速やかに専門医の診断を受けましょう。
4.心因性要因
口臭が気になるものの、生理的要因や病的要因、食事などの外因性要因が見当たらない場合、心因性要因が関与している可能性があります。実際は口臭がないにもかかわらず、本人が口のニオイを感じているケースが多いです。
原因が分からずに口臭に悩んでいるなら、まずは歯科医院で口臭の有無を確認してもらいましょう。それでも解消されない場合、心療内科や専門の医療機関に相談することをおすすめします。
自分でできる!毎日の正しい口臭対策5選
口臭対策には、毎日の手入れが重要です。ここでは、自分で簡単にできるおすすめの対策を5つ紹介します。
- 舌苔を取り除く
- 歯磨きで汚れをしっかり落とす
- デンタルフロスを併用する
- 唾液の量を増やす
- 専門の医療機関を受診する
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.舌苔を取り除く
舌苔は、セルフケアによって取り除くことが可能です。市販の舌専用ブラシを使用して、付着した舌の汚れを除去しましょう。
なお、舌は繊細なので、強くこすりすぎないよう注意が必要です。過剰なブラッシングは避け、1日1回の手入れで充分効果を発揮します。また、雑菌が増殖しやすい起床後のタイミングで取り入れるとよいでしょう。
2.歯磨きで汚れをしっかり落とす
食べかすや歯垢が口腔内に残ったままでは、口臭となる原因物質が発生しやすくなります。そのため、毎日の歯磨きで汚れを隅々まで、しっかりと落とすことが重要です。
歯ブラシは自分にとって使いやすいタイプを選びましょう。なお、小さめのヘッドブラシは奥歯や細かい箇所にも届きやすく、より丁寧に磨くことが可能です。
ブラッシングの際は、軽い力で1本の歯を約20秒かけながら小刻みに磨いていきます。歯が重なり合う部分や歯ぐきの境目など、歯垢が蓄積しやすい箇所は念入りに磨きましょう。
磨く時間は全体で3分間を目安にし、無駄に長く時間をかけるよりも集中して磨くことがポイントです。
3.デンタルフロスを併用する
歯ブラシで磨いたあとは、デンタルフロスを使って歯間まできれいに清掃しましょう。フロスを歯間に挿入し前後に動かすことで、ブラシでは届かない汚れや食べかすを効果的に除去できます。
この習慣を毎日続けることで、歯垢の蓄積を防ぎ、口臭や歯周病のリスクを低減させます。歯ブラシとフロスの併用は、健康な口内環境を保つために不可欠です。
4.唾液の量を増やす
口臭を防ぐために、口腔内の唾液量を増やすのも効果的です。唾液は自然な口内洗浄機能を持ち、口臭の原因となる細菌の増殖を抑えます。
日常生活で取り入れやすい唾液の分泌を促す習慣は、次のとおりです。
- 唾液腺マッサージ: 顎の下や耳の前の唾液腺を優しくマッサージすることで、唾液の分泌が促進されます。
- 鼻呼吸を心がける: 口呼吸は口腔内を乾燥させるため、鼻呼吸を意識することが重要です。
- よく噛んで食べる: 食事の際にしっかりと噛むことは唾液の分泌を助け、消化も促進します。
- 水分補給をこまめにとる: 水やハーブティーなど、カフェインの少ない飲料で定期的に水分を取るのがおすすめです。
- 喫煙習慣を見直す: 喫煙は唾液の分泌を抑えるので、本数や禁煙を検討しましょう。
これらの習慣を取り入れることで、口内環境が改善し、口臭のリスクを減らすことができます。
5.専門の医療機関を受診する
上記に挙げたセルフケアを実践しても口臭が改善されない場合、もしかすると別の問題が隠れている可能性があります。原因を特定し適切な治療を受けるためにも、専門の医療機関への受診を推奨します。
歯科だけでなく、耳鼻咽喉科や内科など、症状に応じた診療科を選ぶことが大切です。
口臭チェックでよくある3つの質問
最後に、口臭チェックでよくある質問にお答えします。
- 質問1.自分の口臭に気付かないのはなぜ?
- 質問2.コーヒーは口臭を悪化させる?
- 質問3.口臭予防に有効な成分はある?
それぞれ詳しくみていきましょう。
質問1.自分の口臭に気付かないのはなぜ?
多くの人が自分の口臭を自覚しにくいのは、嗅覚の「順応」という現象が大きく関与しています。私たちの鼻は、長時間同じニオイにさらされると、そのニオイに慣れてしまい、感じにくくなるのです。
口と鼻は直接的に繋がっているため、自分の口のニオイには特に順応しやすく、自分自身では気づかないことがほとんどです。自分の口臭をチェックしたい場合は、定期的にセルフチェックを行うか、口臭チェッカーなどの測定器を使用することをおすすめします。
質問2.コーヒーは口臭を悪化させる?
コーヒーは、成分が舌に付着しやすいことや、カフェインの利尿作用で口腔内が乾燥しやすいことから、口臭の原因になると言われています。
特に、砂糖やミルクを加えて飲む場合、これらの添加物が口内の細菌の繁殖を促進し、口臭を引き起こすリスクを高めます。
コーヒーを飲んだ後は、水も摂取することを心がけましょう。これにより、口腔内の乾燥を防ぎながら、コーヒーの成分も洗い流すことができます。
質問3.口臭予防に有効な成分はある?
口臭予防に効果的な成分として、善玉菌であるWB21など「生きた乳酸菌」が注目されています。善玉菌は、口腔内の悪玉菌の活動を抑制し、口臭の原因である揮発性硫黄化合物の発生を減少させる効果があります。
舌苔が付きやすい方や口腔内に粘つきを感じる方は、悪玉菌の増加による口臭が発生しやすい状態です。歯磨きやフロスに加えて、乳酸菌を含む食品やサプリメントを毎日の習慣に取り入れるのがおすすめです。
まとめ
口臭は、多くの人に共通する悩みです。口臭が気になる場合は、まずセルフチェックで状況を確認しましょう。
口臭がある場合でも、毎日の習慣に口臭対策を取り入れれば軽減することが可能です。この記事を参考に、簡単に始められそうなものから実践してみてください。
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