【歯科技工のプロが教える】口臭改善にはデンタルフロスがおすすめ!臭い原因や正しい使い方を徹底解説!

お口の悩み

デンタルフロスを使用したあとに臭いが気になる場合、歯や歯茎に問題が潜んでいるかもしれません。放置しておくと、虫歯や歯周病だけでなく、口臭につながる恐れがあります。

この記事では、デンタルフロスが臭くなる原因と口臭の関係や、フロスの正しい使い方を解説します。口臭に悩む方やフロスでの手入れが分からない方は、ぜひ参考にしてみてください。

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口臭改善にデンタルフロスがおすすめな理由

口臭改善にデンタルフロスがおすすめな理由

口臭の原因には、歯間のプラークや食べかすが大きく関係しています。歯ブラシだけでは約60%の歯垢しか取り除けないため、特に歯間部に残りやすい細菌が悪臭の元になりがちです。

そこで、デンタルフロスを併用すると狭い隙間の汚れも取り除き、歯垢除去率を約90%まで向上させることができます。歯間部に特化した清掃が得意なデンタルフロスは、全体の口内環境を清潔に保ち、口臭を改善するのに非常に効果的です。

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デンタルフロスが臭い原因は4つ

デンタルフロスが臭い原因は4つ

デンタルフロスが臭い原因には、主に次の4つが考えられます。

  • 磨き残しがある
  • 歯周病
  • 虫歯
  • 詰め物が合っていない

項目ごとに詳しくみていきましょう。

1.磨き残しがある

歯間部には食べかすが挟まりやすく、歯ブラシで見た目では綺麗に磨けていると感じても、実際は磨き残しが発生しているケースがあります。野菜の繊維や肉などが長時間歯に残ることで悪臭の原因となり、その結果、口臭が強くなるのです。

しかし、これらの食べかすをデンタルフロスで除去すれば、ニオイは軽減され、同時に歯周病のリスクも減少します。食べかすが歯垢に変わり、ネバネバした白い物質になる前に、習慣づけてデンタルフロスを活用しましょう。

2.歯周病

デンタルフロスから異臭がする場合、歯周病が進行しているかもしれません。

歯周病が進行すると、歯と歯茎の間に形成される歯周ポケットが深くなります。ポケット内や周辺には細菌が増え、これらが悪臭を放つガスを発生させます。

細菌の活動により、歯茎は炎症を起こし、痛みや腫れを伴い、最終的には膿が出ることもあります。これらの症状が重なると、歯周病の臭いはさらに強くなるのです。

歯周病は進行すると治療が困難になるため、このような兆候が見られたら、すぐに歯科医の診察を受けましょう。

3.虫歯

歯と歯の間に大きな虫歯がある場合、開いた穴に食べかすや細菌が蓄積され、それが強い悪臭の源となります。また、フロス使用時に糸が引っかかる、または毛羽立つ場合、その部位に虫歯が存在する可能性が高いです。

さらに、銀歯の下で発生する二次虫歯も、臭いの原因となることがあります。これは、歯と銀歯の間に隙間が生じ、そこから虫歯菌が侵入し再発する現象です。

4.詰め物が合っていない

長く詰め物や被せ物が使用されていると、徐々に段差や隙間が生じるケースがあります。これにより周囲に汚れが蓄積し、不快な臭いが発生することがあるのです。

デンタルフロスを使用する際に詰め物の縁でフロスが引っかかったり、毛羽立ったり、切れたりする場合は詰め物の不具合の兆候です。詰め物が正しくフィットしていない可能性が高いため、無理にフロスを引き抜くと詰め物が外れることがあります。

もしフロスが詰まってしまった場合は、ハサミで慎重に切って取り除きましょう。そして、正しく合っていない詰め物や被せ物は、調整や作り直しが必要です。

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デンタルフロスは2種類

デンタルフロスは2種類

デンタルフロスは、持ち手がついている「ホルダータイプ」と、糸のみで使用する「ロールタイプ」があります。それぞれの特徴を詳しくみていきましょう。

1.ホルダータイプ

ホルダータイプのデンタルフロスは、すでに糸がホルダーに装着されており、使い勝手のよさが魅力です。

このタイプは、糸を自分で切る必要がなく、指に巻く手間も省けるため、手軽に使用できます。習慣として取り入れやすく、外出時にも便利です。

ホルダータイプには、大きく分けて「F字型」と「Y字型」があります。

  • F字型:下あごの前歯に使いやすく、Y字型よりもコストが低い。
  • Y字型:上あごの前歯や、F字型での使用が困難な奥歯に最適。

どちらのタイプも歯間全体をきれいにすることが可能ですが、状況に応じて両方を使い分けるとより効果的です。

次のような方にホルダータイプをおすすめします。

  • フロスの使用に慣れていない初心者
  • 力加減が難しい子供
  • 子供の歯磨きの仕上げに使用したい親
  • 糸を切る手間を省きたい方
  • 携帯用に小分けにして持ち運びたい方

2.ロール(糸巻き)タイプ

ロール(糸巻き)タイプのデンタルフロスは、ケースに巻かれた糸を引き出して必要な長さに切って使用します。持ち手がなく、使用後のゴミが少ないのでエコであり、1回あたりのコストも安いのが特徴です。

また、片方の手で糸を持ち、もう一方の手でゆっくりと引き抜くことで、被せ物がある歯に無理な力をかけずに済むため、デリケートな歯にも安心して使用できます。ホルダータイプに比べて糸の種類を選べる幅が広いのも魅力のひとつで、自分の好みや歯間の状態に合わせて最適な糸を選べます。

ロールタイプは次のような方に特におすすめです。

  • 経済的な理由でコストを抑えたい方
  • デンタルフロスの使い方に慣れている方
  • 糸の厚みや硬さなど、具体的な形状にこだわりたい方
  • 被せものやセラミックなど、歯に負担をかけたくない方

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デンタルフロスの素材と形状

デンタルフロスの素材と形状

デンタルフロスは素材や形状にもさまざまな特徴があります。自分に合ったものが選べるように詳しくみていきましょう。

素材

デンタルフロスの素材は、大きく分けて3つあります。それぞれの特徴は次のとおりです。

ナイロン摩擦に強いため、頑丈で切れにくい。歯垢をしっかり除去できる。慣れていないと痛みを感じることがある。
ポリエステルナイロンと比較すると摩擦に弱い。やわらかいため、痛みを感じにくい。細い素材を何重にも束ねて歯垢を取り除くタイプもある。
ポリエチレン細い糸のフロスで使われることが多い。歯間の狭い人に向いている。

形状

デンタルフロスの形状は、主に糸タイプ、テープタイプ、エクスパンドタイプなどがあります。それぞれの特徴は次のとおりです。

糸タイプ▼ワックスあり
ワックス加工が施されているため、ほつれにくいのが特徴。すべりがよいため歯間に入れやすく、初心者にもおすすめ。
▼ワックスなし
ワックス加工がなく、繊維で歯垢をかき落とすため、歯垢の清掃効率がワックスありに比べて高いのが特徴。
テープタイプ薄く幅広いテープ状のため、歯と接触する面積が広く、一度に多くの歯垢を除去できる。やわらかな素材で、狭い歯間でも入りやすい。
エクスパンドタイプ清掃していくうちに唾液の水分を吸収し、スポンジ状に膨らんで清掃力がアップする。糸が太いため、狭い歯間には入りにくい。

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デンタルフロスの正しい使い方

デンタルフロスの正しい使い方

デンタルフロスの正しい使い方を「ホルダータイプ」「糸まき(ロール)タイプ」それぞれ紹介します。実際は、鏡の前で行いましょう。

ホルダータイプ

ホルダータイプの正しい使用方法は次のとおりです。

  1. 鏡を見ながら、歯と歯の間にデンタルフロスを軽く挿入します。
  2. ゆっくりと前後に動かし、フロスを歯の隙間に通します。歯茎を傷つけないように注意し、押し込むのではなく、少しずつ挿入しましょう。
  3. フロスが歯間に達したら、歯面に沿わせながら上下に動かし、歯垢を除去します。
  4. 清掃後、入れた時と同様に前後に動かしながら、フロスを慎重に歯間から取り出します。

ホルダータイプのフロスは、1本ですべての歯間を清掃できますが、糸が切れたり汚れたりした場合は新しいものに取り替えてください。また、使用後のフロスは衛生的な理由により、再利用は推奨しません。

ロール(糸巻き)タイプ

ロール(糸巻き)タイプの正しい使用方法は次のとおりです。

  1. デンタルフロスを約40〜50cm切り取り、中指に2〜3回巻きつけます。フロスをピンと張った状態で、中指間の距離が10〜15cmになるように調整してください。
  2. 両手の親指と人差し指でフロスをしっかりと持ちます。操作するフロスの長さは1〜2cmが目安です。
  3. 歯間にフロスを当て、ノコギリのように前後に動かしながらゆっくりと挿入します。中まで入ったら、歯面に沿って巻きつけるようにして2〜3回上下させ、歯垢を取り除きます。
  4. フロスを引き抜く際も、前後させながら引き抜きます。スムーズに抜けない場合は、歯の内側から糸を外して外側に引き抜きます。

初めてロールタイプのフロスを使用する方は、すべりのよいワックスが施された糸を選ぶと扱いやすいです。また、歯間が狭く入れるのが難しい場合は、テープタイプのフロスがおすすめです。

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口臭とフロスでよくある3つの質問

口臭とフロスでよくある3つの質問

最後に、口臭とフロスでよくある質問にお答えします。

  • 質問1.フロスの臭いと口臭は関係あるの?
  • 質問2.フロスを使用するタイミングはいつ?
  • 質問3.フロスを使用すると出血する場合は?

それぞれ詳しくみていきましょう。

質問1.フロスの臭いと口臭は関係あるの?

デンタルフロスを使用した際に感じる臭いは、口臭と関連があります。歯と歯の間は歯垢や食べかすが溜まりやすく、これが微生物によって分解されることで臭いを発生させるのです。

この臭いは局所的ではなく、口の中全体に広がり、呼吸とともに外部にも伝わります。さらに、舌の上に形成される舌苔も口臭を強くする要因のひとつです。

なお、次のページでは、自分の口臭をチェックする方法やニオイの原因、口臭対策を詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。

関連記事:自分の口臭をチェックする方法5選|ニオイの原因や口臭対策もご紹介します!

質問2.フロスを使用するタイミングはいつ?

デンタルフロスを使用するタイミングは、就寝前がおすすめです。

その理由は、就寝中に唾液の分泌が減少し、細菌が繁殖しやすくなるからです。フロスを使用して歯間のプラークを除去することで、夜間の細菌活動を抑制し、虫歯や歯周病のリスクを低減できます。

なお、フロスは歯磨きの前に使用しましょう。この順序で使用することにより、歯ブラシと歯磨き粉のフッ素が歯間にも効果的に行き渡ります。

フロスは1日1回は必ず行い、健康な歯と歯茎を維持するために習慣化させることが大切です。

質問3.フロスを使用すると出血する場合は?

フロスを使用すると出血する場合は、歯肉炎の可能性があります。

これは、デンタルフロスを定期的に使っていないことで歯間に蓄積された歯垢が原因で、歯茎が腫れやすくなっている状態です。歯肉が炎症を起こしていると、少しの刺激で出血しやすくなりますが、フロスの使用を続けることで出血は徐々に減少します。

しかし、使用しても改善しない強い痛みや、2〜3週間継続しても出血が止まらない場合は、歯周病などの疾患が考えられます。このような症状が見られる場合は、速やかに歯科クリニックを訪れ、専門的な診断を受けましょう。

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まとめ

まとめ

デンタルフロスは、歯間に潜む歯垢や食べかすを除去し、口臭の原因を抑えます。

毎日の歯磨きに加えてデンタルフロスを使うのは少々面倒に感じるかもしれませんが、フロスを使用すると、清潔な歯と爽やかな息を保つことができます。また、使用後に感じるスッキリ感は心地よいものです。

健康的な口腔環境を維持するためにも、寝る前のルーティンとしてデンタルフロスの使用を習慣化しましょう。毎日の小さな努力が、大きな健康効果をもたらします。

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