入れ歯(義歯)洗浄剤の正しい使い方は5ステップ|注意すべきポイントやよくある質問もご紹介!

入れ歯の悩み

入れ歯(義歯)洗浄剤は、殺菌や着色の除去、臭いの予防に非常に有効です。しかし、正しい効果を得るには、正しい方法で実施する必要があります。

そこで本記事では、入れ歯(義歯)洗浄剤の正しい使い方のステップや注意すべきポイントをわかりやすく解説します。また、入れ歯洗浄剤の使い方でよくある質問もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

入れ歯(義歯)洗浄剤の正しい使い方は5ステップ

入れ歯(義歯)洗浄剤の正しい使い方は5ステップ

入れ歯(義歯)洗浄剤の正しい使い方として、次の5ステップが挙げられます。

  1. 目に見える汚れを洗い落とす
  2. 規定量の水またはぬるま湯を用意して入れ歯を投入する
  3. 記載された時間に合わせてつけ置く
  4. 薬液から取り出して流水で洗う
  5. 使用した薬液を捨てる

入れ歯洗浄剤の効果を正しく得るためにも、ステップごとの詳しい内容を解説します。

ステップ1.目に見える汚れを洗い落とす

まずは、入れ歯についた目立つ汚れをきれいにします。なぜなら、入れ歯洗浄剤は見えない菌やこすり洗いだけでは取り除けない着色汚れを対象としており、食べかすや歯垢を除去するものではないからです。

食べかすや歯垢をそのままにしてしまうと、洗浄剤の効果が十分に発揮されない恐れがあります。必ず食後のクリーニングを行い、見た目がきれいな状態にしましょう。

ステップ2.規定量の水またはぬるま湯を用意して入れ歯を投入する

入れ歯洗浄剤の効果を最大限に発揮させるためは、指定された成分の濃度を維持することが重要です。そのため、多すぎたり少なすぎたりしないよう、規定量の水またはぬるま湯を用意して入れ歯を投入するようにしてください。

また、入れ歯が変形する原因となる熱湯の使用は厳禁です。必ず規定量の「水」または「ぬるま湯」を使用しましょう。

特に「初めて入れ歯洗浄剤を使用する」や「他メーカの入れ歯洗浄剤に変える」といった際には、規定量について注意深く確認することをおすすめします。

ステップ3.記載された時間に合わせてつけ置く

パッケージに記載された時間に従って、つけ置きます。ただし、商品によって必要なつけ置き時間が異なる点には注意が必要です。つけ置き時間が短すぎると十分な効果を得られず、汚れの除去が不十分となります。

一方、長時間浸漬し続けると材料への負担が増し、入れ歯の劣化や着色を引き起こしかねません。入れ歯洗浄剤の使用前には必ずパッケージや説明書を確認しましょう。

ステップ4.薬液から取り出して流水で洗う

つけ置きが終わった後は、入れ歯を洗浄剤から取り出し、流水下でしっかりと洗浄します。この時、流水の力だけでなく、専用のブラシを使用すると、より効果的に汚れを落とすことができます。

ただし、入れ歯洗浄剤には有害な成分が含まれている場合が多く、そのまま口に含んだり、薬液を飲み込んだりといったことは絶対に避けてください。また、入れ歯を口に戻す前に歯磨きをして、口の中を清潔に保つことも忘れずに行いましょう。

ステップ5.使用した薬液を捨てる

入れ歯洗浄剤には入れ歯の汚れや菌を取り除く効果があります。しかし、一度使用した入れ歯洗浄剤はその効果が低下し、取り除かれた汚れや菌が残っていることが考えられます。

そのような入れ歯洗浄剤を再利用することは衛生上の問題があることはもちろん、感染症のリスクも高めるケースも少なくありません。そのため、入れ歯洗浄剤から入れ歯を取り出すタイミングで、入れ歯と一緒に容器も洗う癖をつけるようにしてみてください。

これにより、入れ歯の洗浄と洗浄剤の交換が習慣化され、毎回新たな薬液を使えるようになります。

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入れ歯洗浄剤の使い方で注意すべき5つのポイント

入れ歯洗浄剤の正しい使い方を理解できたところで、次は注意すべきポイントについて解説します。主なポイントは次の5つです。

  • 入れ歯用ブラシを利用する
  • 部分入れ歯と総入れ歯用で洗浄剤を使い分ける
  • 熱湯は使わずに水またはぬるま湯で洗う
  • 落下による破損に注意する
  • 1日1回は入れ歯洗浄剤に浸ける

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

1.入れ歯用ブラシを利用する

入れ歯用ブラシは通常の歯ブラシとは異なり毛先が硬くなっており、頑固な汚れを効果的に落とすことができます。また、ブラシの柄が太く持ちやすく、握力の弱い方でもしっかりと磨きやすい工夫がされています。

さらに、多くの入れ歯用ブラシには2ヶ所の植毛部分があり、それぞれの部分が異なる毛の固さや形状を持つのも特徴です。大きい植毛部分は一般的な固さで、入れ歯の広い部分を磨くのに適しています。

一方、小さい植毛部分は入れ歯の複雑な溝や端の部分を磨くのに適しています。そのため、通常の歯ブラシでなく、入れ歯の手入れを効率的に行うための工夫が多く施されている入れ歯用ブラシの利用をおすすめします。

2.部分入れ歯と総入れ歯用で洗浄剤を使い分ける

部分入れ歯と総入れ歯は材質や構造が異なり、それぞれに対応した成分が洗浄剤には含まれています。そのため、部分入れ歯に総入れ歯用の洗浄剤を使用すると、入れ歯のばねや金具部分の色が黒く変色する可能性があります。

これは、総入れ歯用の洗浄剤に含まれる特定の成分が部分入れ歯の金属部分と反応して変色を引き起こすためです。また、変色だけでなく、長期的には入れ歯の寿命を縮めたり、金属の劣化を早めたりするケースもあります。

このようなトラブルを避けるためにも、入れ歯洗浄剤のラベルや説明書をしっかりと確認し、自分の入れ歯のタイプに合ったものを選ぶようにしてみてください。なお、弊社ではすべての入れ歯に使用できる入れ歯洗浄剤とマウスピース洗浄剤を発売しています。

歯科技工物のことを知り尽くした歯科技工所である弊社が提供する「入れ歯想い」について詳細情報が気になる!という方は、以下の商品ページをぜひチェックしてみてください。

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3.熱湯は使わずに水またはぬるま湯で洗う

多くの入れ歯には「レジン」と呼ばれるプラスチック素材が使用されています。レジンは耐久性と加工性に優れる一方で、熱に対して弱い素材です。

そのため、熱湯に入れ歯を浸すと、レジンが変形するリスクが高まります。変形した入れ歯を使用していると、噛み合わせが悪くなったり、痛みや違和感を感じたりする場合があります。

入れ歯の変形を避けるためにも、入れ歯の洗浄には熱湯ではなく、水またはぬるま湯の使用をおすすめします。

4.落下による破損に注意する

入れ歯は落下や外的な衝撃により破損するリスクがあります。一度破損してしまうと、その修復は難しく、特に接着剤などでの修復は大変危険です。

なぜなら、入れ歯は細かな調整が施されており、少しのズレや変形だけで口内にフィットしなくなる可能性があるからです。また、そのまま使用していると、本来の歯や歯茎への過度な負担や痛みの原因にもなりかねません。

もし、破損した場合は絶対に自分での修理を試みず、歯科医師による適切な修復や調整の実施をおすすめします。

5.1日1回は入れ歯洗浄剤に浸ける

入れ歯の手入れは、一般的にブラッシングと水道水での洗浄を想像する方が多いでしょう。たしかに、食べかすなどの汚れはこれで十分に落とせます。

しかし、入れ歯の材質であるプラスチックは水分を吸い込んでおり、同時に細菌を内部に取り込んでしまいます。その結果として、カンジダ菌のようなカビの原因菌が増えてしまうのです。

カンジダ菌は歯周病の進行や入れ歯の痛みにも関係しており、放置すると健康へのリスクが増大します。また、清潔に磨いた歯にも汚れや細菌が移るため、ブラッシングの効果も落としかねません。

そのため、1日1回は入れ歯洗浄剤でしっかりと入れ歯を浸け、細菌やバイオフィルムを化学的に除去することが大切です。次のページでは、入れ歯(義歯)洗浄剤の正しい使い方や注意すべきポイントやよくある質問もご紹介しています。

関連記事:入れ歯(義歯)洗浄剤の正しい使い方は5ステップ|注意すべきポイントやよくある質問もご紹介! – 歯科技工所|株式会社シケン コラム

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入れ歯洗浄剤の使い方でよくある5つの質問

入れ歯洗浄剤の使い方でよくある質問として、次の5つが挙げられます。ここでは、それぞれの質問についてわかりやすく回答します。

質問①入れ歯を歯磨き粉で磨いてはいけない理由は?

入れ歯を歯磨き粉で磨くと、表面に細かな傷を付ける可能性があります。なぜなら、歯磨き粉にはシリカ・リン酸水素カルシュウム・水酸化アルミニウム・炭酸カルシュウム・無水ケイ酸といった研磨剤が含まれているからです。

表面に傷が付くと、着色や細菌が付着しやすくなります。また、一度付いた傷は元に戻ることはありません。よって、歯磨き粉を使用して入れ歯を磨いてしまった場合は、歯科医院でアドバイスを受けることをおすすめします。

質問②入れ歯洗浄剤の主な種類とは?

入れ歯洗浄剤は大きく次の3種類に分かれます。

  • 発泡タイプ(過酸化水素系):泡で汚れを落とし、食べかすや着色汚れに効果的。しかし、微生物除去は苦手で、金具の変色リスクあり。
  • 酵素系:タンパク質分解酵素で食べかすやプラーク、微生物を取り除く。脱臭効果もあるが、着色汚れ除去は不得意。
  • 次亜塩素酸系:殺菌力と漂白作用があり、着色汚れにも効果的。ただし、長時間使用は入れ歯の変色やダメージの原因となる可能性あり。

それぞれの特性を考慮し、適切に使用することが大切です。なお、次のページでは目的別の入れ歯洗浄剤の選び方について解説しています。

質問③入れ歯の間違った使い方によって起こるトラブルは?

入れ歯には自然の歯と同様に、食べかすやプラーク(歯垢)が付着します。これを毎日のお手入れで除去しないと、以下のようなトラブルが生じる可能性があります。

  • 口臭が発生しやすくなる
  • 口内炎の原因となる
  • 入れ歯の表面に色素や歯石が沈着しやすくなる

特に、部分入れ歯を使用している場合、金具などがかかっている歯がむし歯や歯周病になりやすい傾向にあります。これらのトラブルを予防するためにも、入れ歯の適切なお手入れと口のケアが欠かせません。

なお、次のページでは入れ歯の正しい手入れ方法を解説しています。また、間違った仕方や手入れの手順も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

関連記事:【基本編】入れ歯の正しい手入れ方法は5つ|間違った仕方や手入れの手順、よくある質問をご紹介! – 歯科技工所|株式会社シケン コラム

質問④入れ歯における毎食後のお手入れ方法は?

入れ歯における毎食後のお手入れ方法は次のとおりです。

  • 洗面器に水またはぬるま湯を張る(入れ歯が落下や排水口に流れるのを防ぐ)
  • 入れ歯は必ず外し、流水下で義歯用ブラシを使用して洗う。
  • 力を入れすぎず、特に歯肉に接する部分や汚れやすい部分を丁寧に磨く。

なお、次のページでは就寝前に入れ歯を手入れする際の流れを4ステップで解説しています。

関連記事:入れ歯(義歯)洗浄剤の正しい使い方は5ステップ|注意すべきポイントやよくある質問もご紹介! – 歯科技工所|株式会社シケン コラム

質問⑤入れ歯が破損した際の対処法は?

入れ歯にヒビが入った場合や一部が割れた場合は破片は捨てず、保管するようにしてください。なぜなら、金属のバネや人工歯は再利用できるからです。また、自分の歯を一方的に使って食事をすると、歯のグラつきや痛みの原因となります。そのため、破損した破片を持参し、早く歯科医院で診てもらうことをおすすめします。

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まとめ

まとめ

入れ歯洗浄剤は高い殺菌効果や着色除去効果を持つものの、食べかすや歯垢が残った状態では入れ歯の表面に薬液が均等に浸透せず、その効果を十分に発揮できません。そのため、使用前には目に見える汚れをしっかりと落とすことが大切です。

また、商品によっては、水量やつけ置き時間が異なるので、パッケージの指示をよく読み、適切に利用することが大切です。しかし、弊社では「どんなタイプでも心を込めて作った入れ歯を長く使っていただきたい…!」という想いから、すべての入れ歯に使用できる入れ歯洗浄剤とマウスピース洗浄剤を発売しています。

歯科技工物のことを知り尽くした歯科技工所である弊社が提供する「入れ歯想い」について詳細情報が気になる!という方は、以下の商品ページをチェックしてみてください。

⇒お口のお店のサイトはこちらから

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