【歯科技工のプロが教える】正しい歯ブラシの選び方|年齢やお悩みにあわせて詳しく解説します!

歯ブラシの悩み

歯ブラシは、自分の口腔内に合ったものを選ぶのが大切です。しかし、ドラッグストアなどで販売されている歯ブラシにはさまざまなタイプがあり、どれが自分に適しているか選び方に悩む人は少なくありません。

この記事では、正しい歯ブラシの選び方を詳しく解説します。年齢やお悩みに合わせたポイントも紹介しているので、歯ブラシ選びにお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

正しい歯ブラシを選ぶ5つのポイント

正しい歯ブラシを選ぶ5つのポイント

正しい歯ブラシを選ぶポイントを紹介します。主に次の5つです。

  • 毛のかたさ
  • 毛先の形
  • ヘッドの大きさ
  • 柄の形(持ち手)
  • ブラシの材質

項目ごとに詳しくみていきましょう。

1.毛のかたさ

歯ブラシの毛のかたさには、「かため」「ふつう」「やわらかめ」の3種類があり、口腔内に特に問題がなければ「ふつう」のかたさがおすすめです。

汚れをしっかり落としたい方には、かための歯ブラシが適していますが、使用時の圧力によって歯茎を損傷したり、歯の表面を削るリスクが伴います。その結果、歯茎の退縮や根元の露出を引き起こし、虫歯や知覚過敏を悪化させる可能性があるためブラッシングには注意が必要です。

一方、やわらかめのブラシは、歯茎が腫れている方や重度の歯周病で出血しやすい方におすすめです。毛がやわらかいため、丁寧かつ少し長めに時間をかけて磨くことで汚れを落とせます。

2.毛先の形

歯ブラシの毛先の形は、「円状(ラウンド)」、「テーパード」、「水平(シリンダー)」が一般的です。円状や水平の形状は、歯表面のプラーク除去に特に優れており、虫歯を予防するのに役立ちます。

テーパードの毛先は、細く先細りになっており、歯と歯茎の境界に届きやすいため、歯周病予防や進行の抑制に効果的です。歯茎の腫れや出血が気になる方には、この形状がおすすめです。

3.ヘッドの大きさ

ヘッドの大きさは、縦3列に植毛された小さめが推奨サイズです。

ヘッドが大きすぎてしまうと、奥歯や細かい箇所に毛先が届きにくく磨き残しの原因になります。特に女性は男性よりも口腔内が狭いため、小さいヘッドがおすすめです。

自分の前歯2本分の大きさを目安に、最適なサイズを選びましょう。

4.柄の形(持ち手)

握りやすいカーブが施されたものや、手にフィットする突起が付いたデザイン、さらには見た目にもこだわったスタイリッシュなモデルが豊富に展開されています。基本的には、自分が使いやすい持ち手であれば問題ありません。

実際に手に取ってみて、余計な力が入らず奥歯まで磨きやすい形状がおすすめです。

5.ブラシの材質

歯ブラシの毛にはさまざまな材質がありますが、透明なナイロン製のブラシを推奨します。動物の毛を使用したブラシは細菌の付着や増殖がしやすく、衛生面で劣る可能性があるためです。

また、色付きの歯ブラシもありますが、色素による人体への安全性やブラシの交換目安を知る上では、無色透明がおすすめです。透明なブラシは、使用し続けると徐々に白く濁っていくため、材質の劣化により交換時期が分かりやすくなります。

CTA_おくちコラム

【年齢別】歯ブラシの選び方

【年齢別】歯ブラシの選び方

歯ブラシは使用する人によって選び方が異なります。ここでは、年齢別に目安となるポイントを紹介します。

赤ちゃん毛:やわらかめ・小さめヘッド:小さめ柄:握りやすい乳歯が生えてきたら、まずはガーゼや指で触れます。歯が増えてきたら、少しずつ歯ブラシに慣れさせましょう。ハンドルは、転んで喉に刺さらないよう曲がるタイプがおすすめです。
子ども(3~5歳)毛:やわらかめ・短めヘッド:小さめ柄:握りやすい乳歯がしっかりと磨けるかどうかがポイントです。小さな口でも入るヘッドブラシを選びましょう。歯ブラシを噛む場合、毛先が開きやすいため、頻繁に交換することをおすすめします。
子ども(6~12歳)毛:やわらかめ〜普通・短めヘッド:小さめ柄:まっすぐ握りやすい乳歯から永久歯に生え変わる期間は、虫歯のリスクが高まります。小さめのヘッド、柄がまっすぐなものだと、奥歯の磨き残しが少ないです。
大人毛:ふつうヘッド:小さめ目的に合わせて選びましょう。特に口腔内に問題ない場合は「ふつう」、歯周病予防をメインにしたい場合は、「やわらかめ・細め」がおすすめです。
高齢者毛:やわらかめ・細め柄:握りやすい補助:電動歯ブラシ歯や歯茎が弱くなってくるので、傷つけにくいやわらかめの毛先を選びましょう。小刻みに動かす動作や力加減が難しい場合、電動歯ブラシの活用もおすすめです。

CTA_おくちコラム

【お悩み別】歯ブラシの選び方

【お悩み別】歯ブラシの選び方

さまざまなメーカーから、あらゆるタイプの歯ブラシが販売されています。しかし、自分の悩みに合わせてどのような歯ブラシを選べばよいか悩む方も少なくありません。

ここでは、お悩み別に歯ブラシ選びのポイントを紹介します。

特に口腔内に悩みがないヘッド:前歯2本分程度毛のかたさ:ふつう毛先:水平(シリンダー)
奥歯に虫歯ができやすい歯並びが気になるヘッド:小さめ毛のかたさ:やわらかめ、ふつう毛先:円状(ラウンド)
歯茎が出血しやすい歯周病ケアヘッド:小さめ毛のかたさ:やわらかめ毛先:テーパード

CTA_おくちコラム

歯ブラシの選び方でよくある5つの質問

歯ブラシの選び方でよくある5つの質問

最後に、歯ブラシの選び方でよくある質問にお答えします。

  • 質問1.歯ブラシ選びが大切な理由は?
  • 質問2.歯ブラシにはどんな種類がある?
  • 質問3.歯ブラシの交換時期はいつ?
  • 質問4.歯ブラシの保管方法は?
  • 質問5.歯垢を上手に取る磨き方は?

それぞれ詳しくみていきましょう。

質問1.歯ブラシ選びが大切な理由は?

自分に合った歯ブラシを選ぶのはとても大切です。合わない歯ブラシでは、歯をきれいに磨けず、口腔内のトラブルにつながってしまう恐れがあるからです。

トラブルを防ぐためには、毎日の歯磨きでしっかり汚れを落としましょう。また、定期的に歯科検診やクリーニングを受けることで、自分の歯磨きのクセや虫歯予防の対策になります。

質問2.歯ブラシにはどんな種類がある?

口腔内の状態や使用者の使い心地にあわせて、歯ブラシにはさまざまな種類があります。ヘッドの大きさや毛先の種類を知ることで、自分にぴったりな一本を見つけることができるでしょう。

次のページでは、歯ブラシの種類や特徴を詳しく紹介しています。歯ブラシの選び方に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

関連記事:【基本編】歯ブラシの種類と特徴|自分にぴったりの歯ブラシを使い分けよう!よくある質問もご紹介

質問3.歯ブラシの交換時期はいつ?

歯ブラシの交換は1ヶ月に1本を推奨しています。また、毛先が開いていたり、歯ブラシを横から見たときに毛がはみ出していたりする場合は、1ヶ月未満でも新しいものに交換しましょう。

開いていない状態でも、使用から1ヵ月が経過しているならば、弾力性の低下により清掃効果が薄れているため、交換をおすすめします。

なお、次のページでは、歯ブラシの適切な交換時期や長く使い続けるデメリットを紹介しています。あわせて参考にしてみてください。

関連記事:【歯科技工のプロが教える】歯ブラシの交換時期はいつ?適切な交換頻度や長く使い続けるデメリットをご紹介!

質問4.歯ブラシの保管方法は?

歯ブラシは湿った状態で保管すると細菌が繁殖しやすくなるため、使用後は必ず流水でしっかりと洗い、余分な水分を振り払ってから乾かすことが大切です。また、ヘッド部分を上にして、空気が流れる風通しのよい場所に置くことを心掛けましょう。

なお、専用の除菌スタンドを利用するのもおすすめです。使用後の歯ブラシを殺菌しながら、同時に乾燥させる機能を備えており、歯ブラシを清潔に保ちます。

質問5.歯垢を上手に取る磨き方は?

効果的に歯垢を除去するには、歯ブラシの毛先を歯の表面に垂直に当て、毛の自然な弾力を生かしつつ、軽い力で小刻みに磨きます。過度に力を入れて大きく動かすと、ブラシの毛が圧迫され弾力性を失い、逆に歯垢を取り除く効果が減少します。

前歯の裏側や、歯と歯の間、奥歯など、歯石化しやすい部分には特に注意を払い、入念に磨きましょう。

歯ブラシの持ち方は、力を入れずに鉛筆を持つようにします。前歯の間など細かい部分を磨く際は、親指と人差し指で縦に持つ方法も有効です。手鏡を使ってこれらの磨き方を確認しながら、一日に2〜3回、食後に実践することで、歯茎を健康に保つことができるでしょう。

CTA_おくちコラム

まとめ

まとめ

さまざまな歯ブラシが販売されていることから、歯ブラシ選びに悩む方は少なくありません。年齢や目的に合わせて、自分にとって使いやすい歯ブラシを選びましょう。

歯磨きに重要なのは、選んだ歯ブラシを使って毎日しっかり歯を磨き、口腔内を清潔に保つことです。丁寧なブラッシングを心がけることで、トラブルを未然に防ぐことができます。

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのトラックバックはありません。

TOP