【歯科技工のプロが教える】マウスピースの種類について|効果や費用相場、よくある質問まで解説!

お口の悩み

マウスピースは、歯列矯正やスポーツ中の保護、歯ぎしりの軽減など、さまざまな目的で利用されます。しかし、用途に応じて効果が異なるため、適切なタイプの選択が重要です。

この記事では、マウスピースの種類とそれに伴う効果について詳しく解説します。歯ぎしりや食いしばりによるマウスピース選びにお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

マウスピースの主な種類とその効果

マウスピースの主な種類とその効果

マウスピースは大きく分けて、次の3つが挙げられます。

  • セルフタイプ
  • ナイトガード(睡眠時専用マウスピース)
  • スポーツ用マウスピース

それぞれの特徴と効果を詳しく見ていきましょう。

1.セルフタイプ

市販のネットショップなどで手に入るセルフタイプのマウスピースは、沸騰させたお湯で既成の樹脂プレートを温め、これを歯にはめて噛み込むことで成形します。歯科医院に行かなくても手軽にマウスピースが手に入る点がメリットです。

一方で、セルフタイプのマウスピースは自分の感覚だけで成形してしまうため、細かい調整ができません。人間の噛み合わせは非常に繊細で、少しのズレでも歯や顎に大きな負担を与えるため、正しい噛み合わせには専門的な知識を持った歯科医の調整が必要になります。

セルフで成形されたマウスピースを使用し続けると、夜間の歯ぎしり・食いしばりに効果があるどころか、むしろ逆効果になってしまうリスクも潜むため、使用には注意が必要です。

2.ナイトガード(睡眠時専用マウスピース)

睡眠中の歯ぎしりや食いしばりから歯や顎を保護するために使用されるナイトガード(睡眠時専用マウスピース)は、ゴム製のソフトタイプとレジン製のハードタイプの2種類があります。どちらも歯科医院で作成が可能です。

ソフトタイプはスポーツ用マウスピースに似ており、着用感はよいですが、柔らかいゴム製のため耐久性に欠ける可能性があります。また、柔らかいマウスピースをつけて寝ると、食いしばりの力を増大させるケースも考えられます。

一方でハードタイプは、マウスピースの表面の傷をみて歯ぎしりや食いしばりの有無を確認できます。また、一定の硬さを保ちながらも歯より柔らかい素材のため、歯ぎしりや食いしばりから歯を守ります。

これらの特性を考慮すると、歯ぎしりや食いしばりから歯を保護する目的であれば、ハードタイプのナイトガードがおすすめです。

3.スポーツ用マウスピース

スポーツ用マウスピースは、パンチやタックルなどの瞬間的な衝撃から歯を保護し、歯で自分や相手を傷つけることを防ぐ目的で使用されます。多くのスポーツ用マウスピースは、ゴム製のソフトタイプです。

そのため、夜間の歯ぎしりや食いしばりに対しては効果が薄く、逆に食いしばりの力が強くなるという可能性が潜んでいます。また、歯を広範囲に覆うことにより、唾液の循環が悪くなり虫歯のリスクが高まるリスクも指摘されています。

スポーツ用マウスピースはあくまでスポーツ活動時に限定されるため、夜間の歯ぎしりや食いしばり対策にはナイトガードを利用しましょう。

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マウスピースの主な素材は2つ

マウスピースの主な素材は2つ

続いて、マウスピースの素材を紹介します。主に次の2タイプが挙げられます。

  1. ソフトタイプ
  2. ハードタイプ

タイプ別に詳しく見ていきましょう。

1.ソフトタイプ

ソフトタイプのマウスピースは、柔軟性のあるゴム製素材で作られており、快適な装着感が特徴です。スポーツに利用される他、初心者の方がマウスピースの着用に慣れるために用いられることもあります。

しかし、歯ぎしりや食いしばりによる継続的な圧力が加わると、素材が削れやすく、時間の経過とともに穴が空きやすいのが欠点です。

2.ハードタイプ

ハードタイプのマウスピースは、レジンという硬い樹脂素材で作られており、一定の硬さを保ちつつも歯より柔らかい素材を使用しています。これにより、歯ぎしりや食いしばりから歯を効果的に保護することが可能です。

装着時の違和感はソフトタイプより強い場合がありますが、素材の削れやすさや穴が空くなどのトラブルは少ないです。さらに、マウスピースについた傷を確認することで、歯ぎしりや食いしばりの有無を把握することもできます。

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マウスピースの費用相場

マウスピースの費用相場

マウスピースは保険適用の範囲内で作成することが可能です。費用は、3,000円〜5,000円程度になります。

また、半年経過すると、再度保険適用を利用して新しいマウスピースを作ることができます。マウスピースの効果を得るために、噛み合わせのバランスや穴が空くなどの劣化がないか、定期的な歯科医院のメンテナンスもあわせて受けましょう。

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マウスピースの手入れ方法

マウスピースの手入れ方法

マウスピースの手入れは、使用後に流水の下で指や柔らかい歯ブラシを使用して洗います。熱湯は変形の恐れがあるため避けましょう。

また、歯磨き粉は研磨剤によってマウスピースを傷つける可能性があるため、使用しないでください。目に見えない汚れや細菌を効果的に取り除くには、マウスピース専用の洗浄剤がおすすめです。

手入れ後は、紛失や破損を防ぐため、専用のプラスチック容器に入れて保管しましょう。

なお、次のページでは、マウスピースが汚れる原因や正しい洗い方について詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。

関連記事:【プロが教える】マウスピースの正しい洗い方とは?汚れる原因や注意すべきポイントを徹底解説!

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マウスピースの種類でよくある3つの質問

マウスピースの種類でよくある3つの質問

ここでは、マウスピースの種類でよくある質問にお答えします。

  • 質問1.市販のマウスピースと歯科医院のマウスピースの違いは?
  • 質問2.マウスピースの寿命はどれくらい?
  • 質問3.マウスピースの洗浄剤を選ぶ際のポイントは?

それぞれ詳しく見ていきましょう。

質問1.市販のマウスピースと歯科医院のマウスピースの違いは?

歯科医院で作成するマウスピースは、患者の歯型をもとに個別に作られるため、高いフィット感と精度を提供します。しかし、作成には約1週間かかり、通院が必要になることが多いです。

一方で、市販のマウスピースは手軽さと低コストが魅力です。しかし、歯科医院で作成されるものに比べてフィット感や精度が劣ります。

使用者のニーズに合わせて、精度とフィット感を優先するか、手軽さとコストを重視するかで、選択を検討することが重要です。

質問2.マウスピースの寿命はどれくらい?

マウスピースの寿命は使用状況によって異なりますが、基本的には約1年とされています。時間の経過と共にマウスピースは摩耗や変形するため、大幅な修復が必要な場合は新しいものを作成するのが望ましいです。

特に、ソフトタイプのマウスピースは比較的早く劣化するため、耐久性を重視する場合はハードタイプの選択を検討するとよいでしょう。また、マウスピースの良好な状態を保つには、定期的な歯科医院でのメンテナンスも重要です。

質問3.マウスピースの洗浄剤を選ぶ際のポイントは?

マウスピースの洗浄剤を選ぶ際のポイントは、主に次の4つです。

  • 洗浄方法
  • 洗浄時間
  • 洗浄・除菌効果
  • 成分

次のページでは、マウスピース用の洗浄剤の選び方や正しい使い方をわかりやすく解説しています。おすすめの洗浄剤も紹介するので、マウスピースの黄ばみや汚れにお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

関連記事:【2023年最新】おすすめのマウスピース洗浄剤3選|選ぶ際のポイントや正しい使い方を徹底解説!

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まとめ

まとめ

マウスピースにはさまざまなタイプがあり、目的に応じて使い分けることが大切です。

セルフタイプのマウスピースやスポーツ用マウスピース、ソフトタイプのナイトガードは、本来の目的と異なる使い方をすると逆効果を招くリスクがあります。歯ぎしりや食いしばりに悩む方は、専門知識を持つ歯科医院でハードタイプのナイトガード作成がおすすめです。

なお、弊社では「どんなタイプでも心を込めて作ったマウスピースを長く使っていただきたい…!」という想いから種類に関わらず、全てのマウスピースに使用できるマウスピース洗浄剤を発売しています。
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