歯のお悩みでとくに多いのが、「歯並び」と「歯の白さ」ではないでしょうか。それぞれを美しくする方法として「歯列矯正」と「ホワイトニング」があります。
本記事では、マウスピース矯正とホワイトニングを同時にするメリットや注意点について解説します。また、マウスピース矯正中に可能なホワイトニングの種類についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
マウスピース矯正中にホワイトニングはできる?
ホワイトニングと矯正治療の併用は可能であり、とくにマウスピース矯正(インビザライン)をしているかたには推奨されています。
マウスピースは1日22時間以上の装着が推奨されますが、ホワイトニングのために外す時間はわずかです。そのため、矯正治療への影響はほとんどありません。
ホームホワイトニングでは、矯正用のマウスピースにホワイトニング剤を塗布する方法があり、矯正とホワイトニングが同時進行できます。
また、ホワイトニングは、歯科医院で治療する「オフィスホワイトニング」、自宅でする「ホームホワイトニング」、その両方を組み合わせた「デュアルホワイトニング」の3種類です。
ワイヤー矯正の場合、表側か裏側かでホワイトニングの可否が分かれますが、マウスピース矯正は、3種類すべての方法でホワイトニングが可能です。
マウスピース矯正とホワイトニングを同時にするメリット
次は、マウスピース矯正とホワイトニングを同時にするメリットについて解説します。
- 効率がいい
- 新しくマウスピースを買う必要がない
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.効率がいい
ホワイトニングとマウスピース矯正を同時にすれば、治療期間を大幅に短縮できるのが最大のメリットです。口腔内の状態によって期間は異なりますが、全体的な矯正治療には2〜3年、ホームホワイトニングには約6か月かかります。
このため、矯正を終えてからホワイトニングをはじめるよりも、同時進行で治療すれば全体の治療期間を短くできるため、時間を有効に使いたいかたには同時治療が非常に効果的です。
また、ホワイトニングは治療法によりますが、2週間から1か月程度で白さを実感でき、マウスピース矯正は半年から2年かかります。なるべく早く結果を出したいかたには、同時進行の治療がおすすめです。
2.新しくマウスピースを買う必要がない
ホームホワイトニングを自宅でする際には、自分の歯に合った専用のマウスピースを作る必要があります。具体的には、ホワイトニング剤を塗ったマウスピースを装着し、歯に浸透させて白くしていきます。
矯正治療と並行してホワイトニングをする場合、矯正用のマウスピースをホワイトニング用としても使用できるため、新たに作成する手間と費用が省け、一本化できるのは大きなメリットです。
マウスピース矯正とホワイトニングを同時にする場合の注意点は3つ
次は、マウスピース矯正とホワイトニングを同時にする場合の注意点について解説します。
- 色ムラができる
- 痛みが出る場合がある
- 費用がかかる
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.色ムラができる
インビザライン治療中のホワイトニングの際は、歯が重なっている部分やアタッチメントのある部分にはホワイトニング剤が均一に浸透しにくいため、注意が必要です。
アタッチメントとは、インビザラインマウスピースを歯にしっかりと固定するための装置で、歯と同じ色の樹脂で作られています。
アタッチメントの部分には薬剤が浸透せず、治療後に色むらが生じる可能性があるため、インビザライン治療中にホワイトニングをする場合は、ある程度歯並びが整うのを待ちましょう。
また、マウスピース自体が硬いため、薬剤が歯全体に均一に行き渡らない場合があります。ホワイトニングのタイミングや方法については、歯科医師としっかり相談して治療計画を立てるようにしてください。
2.痛みが出る場合がある
歯列矯正中にホワイトニングを実施する場合、矯正中は歯が動くため痛みが生じやすく、ホワイトニングによる知覚過敏が加わると、歯がしみるなどの不快感が増す可能性があります。
無理をして治療を続けると、口腔内の状態が悪化するリスクがあるため、必要に応じて治療を一時中断し、口内の状態が安定した後に治療を再開するのがおすすめです。
3.費用がかかる
矯正治療とホワイトニングを同時に進める場合、総合的な費用が大きくなります。マウスピース矯正は一般的に80万〜100万円程度、ホワイトニング治療はクリニックによって異なりますが2万〜10万円程度が目安です。
ホワイトニングには自費診療が含まれ追加の出費が予想されるため、クリニックごとの料金設定を確認し、予算に合わせた選択をしてください。
マウスピース矯正中に可能なホワイトニングの種類は3つ
次に、マウスピース矯正中に可能なホワイトニングの種類を3つ紹介します。
- オフィスホワイトニング
- ホームホワイトニング
- デュアルホワイトニング
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングは、歯科医院にて短期間で歯を白くする方法です。国家資格を持つ歯科医師や歯科衛生士のみが施術できるもので、高濃度のホワイトニング剤を使用する方法です。
高濃度のホワイトニング剤を歯に塗って専用の光を当てるため、1回の施術でも効果を感じられます。また、施術中にトラブルが発生しても、専門医が対応してくれるため安心です。
矯正治療中のかたも、歯の表面に矯正装置が付いていない場合は施術が可能ですが、装置が表側にある場合やマウスピース矯正をしている場合は、色むらが発生するため注意する必要があります。
2.ホームホワイトニング
ホームホワイトニングは、歯科医院で専用のマウスピースを作成し、就寝する際にホワイトニング剤を注入して装着する方法です。約2週間から1か月程度続ければ効果を実感できます。
ただし、表側や裏側の矯正器具を使用している場合は、マウスピースの装着が難しいため、矯正が終わった後にはじめるほうが効果的です。
マウスピース矯正中でもアタッチメントがあると色むらができる場合があるため注意する必要があります。ホームホワイトニングは、自宅で時間をかけて歯を白くしたいかたにおすすめの方法です。
3.デュアルホワイトニング
デュアルホワイトニングは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの両方を同時にするホワイトニングの方法です。
オフィスホワイトニングの即効性とホームホワイトニングの持続力の両方を兼ね備えており、それぞれの長所を最大限に活用できます。
セルフホワイトニングはサロンや専門店で提供されるもので、使用されるホワイトニング材の濃度が低く、効果もマイルドなのが特徴です。セルフホワイトニングでは、矯正器具を使用している場合に色むらが生じるケースがあるため、注意が必要です。
マウスピース矯正中のホワイトニングでよくある3つの質問
最後に、マウスピース矯正中のホワイトニングでよくある質問をご紹介します。
- 質問1.保定期間中のホワイトニングは?
- 質問2.ホワイトニングができない矯正治療の種類は?
- 質問3.ホワイトニングの効果を長く保つポイントは?
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
質問1.保定期間中のホワイトニングは?
保定期間中のホワイトニングは非常に効果的であり、歯列が安定しているため理想的な時期といえます。保定期間は通常2〜3年続きますが、この期間中に歯の色むらを減らしてきれいな白い歯が保て、痛みも少なくマウスピースの変更もほとんど必要ありません。
ホワイトニングを考えている場合は、まずかかりつけの医師に相談し、最適なタイミングと方法を確認するようにしてください。
質問2.ホワイトニングができない矯正治療の種類は?
ワイヤー矯正のなかでも、表側(唇側)にブラケットやワイヤーなどの矯正装置が付いている場合、ホワイトニングをするのは難しいです。
ホワイトニング剤を歯の表面に塗る際、表側矯正では装置がワイヤーで固定されているため取り外しができず、ブラケットも歯に付いているため薬剤を塗るスペースがありません。
ワイヤー矯正でも裏側矯正(リンガル矯正)で矯正装置を舌側に付けている場合は、ブラケットやワイヤーが邪魔にならず薬剤を歯に塗れるため、矯正とホワイトニングが同時にできます。
質問3.ホワイトニングの効果を長く保つポイントは?
ホワイトニングの効果を長持ちさせるためには、定期的に歯をクリーニングして、毎日の口腔ケア(歯磨きやフロス)の継続が大切です。
また、自宅でホワイトニングを定期的に実施すれば、白さを維持できます。さらに、喫煙や着色しやすい飲み物(コーヒー、紅茶、赤ワインなど)の摂取を控えるのも効果的です。
なお、歯のクリーニングに欠かせない歯ブラシの種類と特徴については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
関連記事:【基本編】歯ブラシの種類と特徴|自分にぴったりの歯ブラシを使い分けよう!よくある質問もご紹介 – 歯科技工所|株式会社シケン コラム
まとめ
本記事では、マウスピース矯正中にホワイトニングを同時にするメリットや注意点、矯正中に可能なホワイトニングの種類について解説しました。
結論として、マウスピース矯正中のホワイトニングは可能です。マウスピース矯正とホワイトニングを同時にする際は、注意点などをよく理解し、医師と相談しながら進めるようにしましょう。
ぜひ、この記事を参考に美しい理想の歯を手に入れてみてください。
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