ナイトガードの効果は3つ|歯ぎしりを放置した場合に生じるリスクやよくある質問もご紹介!

お口の悩み

歯ぎしりや食いしばりを放置すると、歯や顎関節に深刻なダメージをもたらします。そのリスクを回避し、健康な歯を守るために役立つのがナイトガードです。

本記事では、ナイトガードの効果や注意点、歯ぎしりを放置した場合に生じるリスクをご紹介します。また、よくある質問も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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ナイトガードとは?

ナイトガードとは?

ナイトガードは、就寝時に装着するマウスピースで、睡眠中の無意識な歯ぎしりや食いしばりから歯を守る役割があります。専門の歯科医師が患者の歯型を取って作成するため、口内にぴったりフィットするのが特徴です。

材質は、硬いプラスチックややわらかいシリコンで作られ、力がかかると、ナイトガードが力を吸収し、歯や顎関節への負担を分散させます。そのため、歯の擦り減りや欠けを防ぎ、顎関節のダメージを軽減できます。

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ナイトガードの効果は3つ

ナイトガードの効果は3つ

次は、ナイトガードの効果について解説します。

  • 就寝時に歯ぎしりしているか確認できる
  • 歯ぎしりで歯が削れるのを防止できる
  • 歯やあごにかかる負担を分散できる

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

1.就寝時に歯ぎしりしているか確認できる

歯科医が歯を見れば、歯ぎしりや食いしばりの痕跡が見つけられますが、患者本人は自覚がないケースも少なくありません。そこで、第三の証人になってくれるのがナイトガードです。

もし、歯ぎしりや食いしばりをしている場合、ナイトガードには徐々に傷や削れが生じます。この傷や削れがあることで、実際に歯ぎしりや食いしばりが行われているか確認できます。

2.歯ぎしりで歯が削れるのを防止できる

歯ぎしりや食いしばりによって歯にかかる負荷は、自分の体重の2倍〜5倍とされています。たとえば、体重が60kgの人なら120kg〜300kgの力が歯に加わることになります。

この強い力が持続的に歯やあごにかかると、歯が削れたり、知覚過敏や噛み合わせの問題が生じるため、ナイトガードを使用するのがおすすめです。ナイトガードは強化プラスチック製で、人間の歯よりもやわらかい素材のため、歯ぎしりや食いしばりをしても、ナイトガードが削れるだけで、歯そのものは保護できます。

3.歯やあごにかかる負担を分散できる

寝ている間に無意識にする歯ぎしりや食いしばりでの力は、非常に強くなり、歯にヒビが入ったり、歯根が割れてしまったりするリスクがあります。最悪の場合、抜歯が必要です。

そのため、ナイトガードを使用し、特定の歯に過度な力がかかるのを防ぎ、歯全体で力の分散が可能です。これにより、被せ物や詰め物の破損を防止し、顎関節症の予防や症状の軽減にも効果があります。

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ナイトガードの注意点は3つ

ナイトガードの注意点は3つ

次は、ナイトガードの注意点について解説します。

  • コストがかかる
  • 変形やばい菌が繁殖するおそれがある
  • アゴの痛みや口の渇きなどが生じる場合がある

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

1.コストがかかる

歯ぎしり用マウスピースやナイトガードは、保険適用で約4,000〜5,000円程度です。作成する際は、オーダーメイドで、歯医者で上下の歯型を取り、噛み合わせを調整し、実際に装着して微調整します。

マウスピースの耐久性は、ソフトタイプもハードタイプも約1年程度とされていますが、半年で穴があく方もいれば、2〜3年持つ方もいます。穴があいた場合、作り直しが必要となりますが、保険のルール上、半年以内に再作成する場合は自費で作成しなければなりません。

2.変形やばい菌が繁殖するおそれがある

ナイトガードの素材である強化プラスチックは熱に弱いため、夏場に車内に放置すると高温により変形するリスクがあります。また、衛生面を重視する必要がありますが、煮沸消毒すると熱で変形してしまいます。

しかし、ただ水で洗うだけでは細菌が繁殖するため、毎朝取り外した後には、義歯洗浄剤を使って消毒するのがおすすめです。

3.あごの痛みや口の渇きなどが生じる場合がある

ナイトガードを使用して眠ると、はじめのうちは違和感があり、眠りづらくなります。最初の数日は、口に異物を入れている感覚に慣れるまで時間がかかるため、アゴの痛みや口の渇きを感じます。

これは、マウスピースを装着し、噛み合わせが普段より高くなり、唇が閉じにくくなるのが原因です。しかし、1週間~2週間ほど経つと、アゴの痛みや口の渇きといった症状も緩和され、ナイトガードを装着したままでも快適に眠れるようになります。

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歯ぎしりを放置した場合に生じる3つのリスク

歯ぎしりを放置した場合に生じる3つのリスク

次は、歯ぎしりを放置した場合に生じるリスクについて解説します。

  • 歯が削れる
  • 歯周病が悪化する
  • 顎関節症になる

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

1.歯が削れる

一般的に、食べ物を噛む際の力は体重ほどですが、就寝時の歯ぎしりでは2倍〜5倍ほどの力が加わります。たとえば、体重が60kgの場合、歯ぎしりの際には120kg〜300kgもの力が歯や顎にかかる計算です。

この強い力がエナメル質を摩耗させ、場合によっては象牙質が露出する原因となり、知覚過敏を引き起こす要因の1つになります。さらに、象牙質はエナメル質よりも虫歯になりやすいため、摩耗が進むと虫歯のリスクも高まる傾向です。

2.歯周病が悪化する

歯ぎしりや食いしばりが続くと、歯やあごだけでなく、歯肉や歯根膜、セメント質、歯槽骨の歯周組織にも大きな負担がかかります。この過剰な力は、歯周組織に炎症を引き起こしたり、既存の炎症を悪化させたりするため、歯周病が進行し、最終的には歯を失うリスクが高まります。

歯ぎしりや食いしばりは無意識なケースが多く、本人が気づかないうちに歯や歯周組織にダメージを与え続けているのが現状です。

3.顎関節症になる

顎関節症の症状は、大きく口を開けにくい、あごに痛みを感じる、開閉時に異音がするなどの兆候として現れます。これらの症状が見られる場合、顎関節症の可能性が高いです。

慢性的な歯ぎしりは、上下の噛み合わせに異常を引き起こし、あごの位置がずれるため、顎関節症のリスクが高まります。顎関節症は、生活の質を低下させるだけでなく、長期的な健康にも影響をおよぼします。

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ナイトガードの効果でよくある3つの質問

ナイトガードの効果でよくある3つの質問

最後に、ナイトガードの効果でよくある質問について紹介します。

  • 質問1.ナイトガードの使用方法は?
  • 質問2.ナイトガードを正しく使うためのポイントは?
  • 質問3.ナイトガードの正しい手入れは?

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

質問1.ナイトガードの使用方法は?

ナイトガードを装着する際は、歯に垂直に装着し、手でしっかりと装着します。上下の歯をかみしめて装着すると破損の原因になるため、避けてください。

また、就寝前にナイトガードを装着する前に、リラックスしてあごの筋肉を緩めましょう。これにより、装着時の違和感が軽減され、快適な睡眠につながります。

質問2.ナイトガードを正しく使うためのポイントは?

ナイトガードを正しく使うためのポイントとしては、以下が挙げられます。

  • 慣れるまでは継続して装着する

締め付け感や違和感があっても継続的に装着することが大切。どうしても違和感がある場合は、歯科医院で調整してもらう必要がある

  • 定期的にメンテナンスする

ナイトガードは口腔内に装着するため、定期的なメンテナンスが欠かせない。水で洗い流すだけでは不十分なため、歯ブラシでこすり、義歯洗浄剤を使って清潔に保つ必要がある

  • 消耗したら再作成する

ナイトガードは、歯ぎしりや食いしばりによって徐々に削れていくため、ソフトタイプは半年程度、ハードタイプでも2〜3年程度で交換が必要となる。少しざらつきを感じたら、歯科医院への相談が望ましい

質問3.ナイトガードの正しい手入れは?

ナイトガードを正しく手入れし、清潔に保つためのポイントは以下のとおりです。

  • 毎朝流水で洗浄

中性洗剤(食器用洗剤)を使って洗うと、においも抑えられる

  • 乾燥を防ぐ

乾燥すると変形や悪臭、歯石のようなよごれが付着するため、少し湿らせたまま蓋付きのケースに保管する

  • タブレット洗浄剤を使用

ドラッグストアで販売されているリテーナー用タブレット洗浄剤を使用すると、においやとごれが洗浄できる

  • 煮沸消毒は避ける

ナイトガードは熱に弱いため、煮沸消毒や熱湯消毒はしない

  • 歯磨き粉は使用しない

歯磨き粉は使わず、やわらかい歯ブラシで軽くこすり洗いする

  • しっかり水分を拭き取る

手入れの後はしっかりと水分を拭き取り、専用のケースに保管する

  • 安全な場所に保管

誤って捨てたり、ペットにいたずらされないよう、安全な場所に保管する

なお、マウスピースの洗浄剤については、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:【2023年最新】おすすめのマウスピース洗浄剤3選|選ぶ際のポイントや正しい使い方を徹底解説!

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まとめ

まとめ

本記事では、ナイトガードの効果や注意点、歯ぎしりを放置した場合に生じるリスクをご紹介しました。

歯ぎしりや食いしばりによって歯にかかる負荷は、自分の体重の2倍〜5倍です。そのため、歯にヒビが入ったり、歯根が割れたり、抜歯するリスクがあります。

これらのリスクを回避するには、ナイトガードが欠かせません。ナイトガードは、強化プラスチックで作られており、就寝中の歯ぎしりで歯が削られるのを保護する役割があります。

しかし、使い始めの1週間〜2週間は装着した際の違和感や口の渇きに耐えなければなりません。もし、ナイトガードの使用を検討したい場合は、歯科医院で口腔内の状況をみてもらい、症状を相談するようにしましょう。

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