毎日の歯みがきでも、間違ったお手入れをすると口内環境にリスクが生じます。とくに歯ブラシが臭う場合、雑菌が繁殖している可能性が高く、そのまま使うと危険です。
本記事では、歯ブラシの臭いを予防する方法について解説します。また、臭いの原因やお手入れの方法についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
歯ブラシが臭い3つの原因
まず、歯ブラシが臭い3つの原因について解説します。
- 歯ブラシをしっかり洗っていない
- 濡れたまま保管している
- 長期間同じ歯ブラシを使用している
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.歯ブラシをしっかり洗っていない
歯ブラシが不快な臭いを発するのは、適切に洗浄されていないのが原因です。洗浄が不十分で歯ブラシを保管すると、残ったよごれや歯垢が原因で雑菌が増殖します。
また、歯ブラシがしっかりと洗浄されていても、ほかの家族の歯ブラシと一緒に保管すると、歯ブラシが接触してしまい、雑菌が自分の歯ブラシに移ってしまう可能性があります。
2.濡れたまま保管している
洗濯物が十分に乾かないまま放置され、不快な臭いを経験をしたことがある方も多いと思います。この臭いの原因は、乾燥が不十分で雑菌が増殖するためです。
これは、歯ブラシも同様であり、通気性の悪い場所での保管や、キャップをつけたままにしておくと雑菌が繁殖しやすくなり、歯ブラシに悪臭がつく原因になります。
3.長期間同じ歯ブラシを使用している
歯ブラシの交換時期は人それぞれですが、ブラシが広がったときに交換する方が多いかもしれません。しかし、歯ブラシは一度使うだけで膨大な数の雑菌が付着します。
長期間同じ歯ブラシを使い続けると、雑菌の数が増加し続け、口内の衛生環境に悪影響をおよぼす可能性があるため、定期的な交換がおすすめです。
歯ブラシの臭いを予防する3つの方法
次に、歯ブラシの臭いを予防する3つの方法について解説します。
- ドライヤーで乾燥させる
- 2本を交互に使用する
- 毛先が触れ合わないように保管する
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.ドライヤーで乾燥させる
雑菌を防ぐには、消毒よりも乾燥が大切です。清潔なタオルやキッチンペーパーで水気を拭き取り、時間があればドライヤーで完全に乾かしましょう。
なお、歯ブラシのなかには熱に弱いものがあるため、冷風や送風を使用するのが安全です。また、歯ブラシケースやキャップを使用する際も必ず乾かしてから使用すると効果があります。
2.2本を交互に使用する
同じ歯ブラシを1日3回使用すると、乾燥する時間が足りず、雑菌が増殖してしまいます。ドライヤーで乾燥させると効果的ですが、手間がかかる場合は、交互に2本の歯ブラシを使用するのがおすすめです。
これにより、それぞれの歯ブラシに十分な乾燥時間が確保され、雑菌の繁殖を抑えられます。さらに、歯ブラシは風通しのよい場所で保管することが大切です。
3.毛先が触れ合わないように保管する
歯ブラシを保管する場所は、家族全員の歯ブラシが一箇所にまとめられている場合が多いです。しかし、複数のブラシが一緒に保管されると、雑菌がほかの歯ブラシに移動するリスクが高まります。
このため、それぞれの歯ブラシを個別に保管するか専用のスタンドを利用し、歯ブラシが直接触れないようにするのがおすすめです。
正しい歯ブラシのお手入れは3ステップ
次に、正しい歯ブラシのお手入れについて解説します。
- 流水でしっかり洗う
- 使用後はしっかりと乾燥させる
- 1か月に1回は新しいものに交換する
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
ステップ1.流水でしっかり洗う
使用後の歯ブラシには口内の食べかすや歯垢が付着しており、適切に洗浄しないと雑菌が増殖するリスクがあります。歯みがき後は、歯ブラシを流水でしっかりと洗い流すようにしましょう。
水を強めに流しながら指でブラシ部分を揉み洗いし、さまざまな角度から水を当ててよごれを完全に取り除いてください。最後はしっかりと水を切り、清潔な状態で保管しましょう。
ステップ2.使用後はしっかりと乾燥させる
歯ブラシを洗った後にそのまま自然乾燥させる方も多いですが、濡れたまま保管すると雑菌が繁殖するため注意が必要です。洗浄後はキッチンペーパーや清潔なタオルで水分をしっかり拭き取り、風通しの良い場所に置いて乾燥させてください。
もし、洗面所の通気が悪い場合は、冷風モードのドライヤーで乾燥させるのも有効です。適切な乾燥を心がけることで、雑菌の繁殖を防ぎ、衛生的な歯ブラシを維持できます。
ステップ3.1か月に1回は新しいものに交換する
歯ブラシを長期間使用し続けると、雑菌が増殖しやすいです。そのため、どれほど丁寧に歯を磨いても、雑菌がたくさん付着した歯ブラシでは効果的な口腔ケアが難しくなります。
このため、定期的に歯ブラシを交換することが、健康な口腔環境を保つためには不可欠です。使用期間が長くなるとブラシの毛先も劣化するため、よごれを十分に除去できなくなる場合があります。
なお、歯ブラシの正しい消毒方法については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
関連記事:歯ブラシは消毒できる?やってはいけない消毒方法から正しいお手入れまで詳しく解説! – 歯科技工所
歯ブラシの臭いを取る方法
次に、歯ブラシの臭いを取る方法について解説します。
- 重曹水で洗う
- 新しい歯ブラシに交換する
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.重曹水で洗う
歯みがき後に歯ブラシの臭いが気になる場合は、通常の洗浄や乾燥だけでは不十分な可能性があります。そのような場合、重曹水を活用する方法がおすすめです。
家庭にある重曹を水に溶かし、その溶液で歯ブラシを洗浄すれば、臭いの元となる細菌や、細菌を生成する物質をある程度取り除くことが可能です。この方法を定期的に行えば、清潔な歯ブラシを保てます。
2.新しい歯ブラシに交換する
歯ブラシを長期間使用すると雑菌が増えてしまい、口内の衛生状態が悪化する可能性があります。また、痛んだ毛先が歯茎を傷つける可能性もあります。このため、定期的な歯ブラシの交換が不可欠です。
歯を清潔に保つため、適切なタイミングで新しい歯ブラシに取り替えましょう。これにより、口腔内の健康を守り、より効果的に歯みがきができます。
歯ブラシの臭いでよくある3つの質問
次に、歯ブラシの臭いでよくある3つの質問について解説します。
- 臭い歯ブラシを使用する影響は?
- 歯を磨くと口臭が強くなる理由は?
- 適切な歯みがきのポイントは?
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
質問1.臭い歯ブラシを使用する影響は?
歯ブラシが臭うのは、そこに細菌や腐敗物が付着している可能性が高いためです。このため、臭いがする歯ブラシを長時間使用し続けるのは衛生的に好ましくありません。
このような歯ブラシを使用し続けると、細菌を口内に取り込んでしまうリスクがあります。常に清潔な歯ブラシを使用し、口腔内の健康を保つように心がけてください。
質問2.歯を磨くと口臭が強くなる理由は?
虫歯や歯周病を防ぐために歯を磨くように、口臭予防のためにも歯みがきが重要だと考えられがちです。しかし、歯みがきによって口臭が強くなる場合があります。
これは舌や歯周ポケットに潜む細菌が硫黄化合物などの口臭原因物質を作り出し、歯みがきによってそれらが口内に拡散して揮発するためです。歯みがき自体が口臭を悪化させる場合もあるため、適切な口腔ケアを併用するのが望ましいです。
質問3.適切な歯みがきのポイントは?
食後や間食後の歯みがきを習慣にするのが大切です。口腔内の細菌は糖分を摂取すると酸を生成し、これが歯の表面からカルシウムやリンといったミネラルを溶かし出します。
食後すぐのタイミングでプラークに覆われた歯は、pH5.5以下の酸性環境に陥りやすいです。この状態が続くと、歯のエナメル質が徐々に弱くなって虫歯のリスクが高まります。食事やおやつの後は早めに歯みがきをするようにしてください。
なお、歯みがきの際の歯ブラシの持ち方については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
関連記事:歯ブラシの持ち方は2種類|歯みがきのポイントや適切なタイミングを徹底解説! – 歯科技工所
まとめ
本記事では、歯ブラシの臭いを予防する方法や臭いの原因とお手入れの方法についても解説しました。
歯ブラシのお手入れや保管方法が不適切だと雑菌が繁殖し、衛生面に悪影響をおよぼすだけでなく口臭や虫歯、歯周病のリスクが高まります。
歯ブラシを使用した後は流水でしっかり洗い、よく乾燥させてから保管するようにしてください。また、最低でも1か月に1回は新しい歯ブラシに交換することを心がけましょう。
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